白藍塾樋口裕一の小論文・作文通信指導

第33話 通信教育で小論文・作文を学ぶこと


通信教育で大丈夫?


通信教育であるために白藍塾の受講をためらう方も少なからずいるでしょう。「やはり対面式でないと・・」と教室授業にこだわる方、以前に通信教育が長続きしなかった苦い経験を持っている方など、中身を問題にする以前に通信教育というだけで拒絶してしまう人は結構いるのではないでしょうか。しかし、学習にも様々な科目があり、力をつける最善の方法はそれぞれ異なるはずです。殊に文章教育に限って言えば、通信教育はとても相性のよい学習手段なのです。


 


通信教育は時間に縛られない


塾に入るため部活動や他の習い事を続けようかどうかと悩んだ経験を持つ方は多いと思います。通信教育ならば学習時間を自由に設定できるので、時間をやりくりすれば部活や習い事との両立は可能です。ウィークディが他の活動で埋まっている場合には、土日に学習時間を充てればよいですし、早起きのできる人は、通学、通勤前の朝の時間を活用すればよいのです。時間に縛られずに取り組める点は、通信教育の大きなメリットと言えるでしょう。


小論文・作文の通信教育の場合、毎回文章を書いて送るわけですが、馴れないうちは提出用の一本の作文を書くのに、かなり時間がかかります。半日費やしても仕上がらないこともあるでしょう。文章づくりではその考える過程が大切なのです。ああでもないこうでもないと云々唸って仕上げる過程で、構成の仕方も内容を深めるテクニックも身につきます。ですので、時間に縛られずに答案を作成できる通信教育は文章を学ぶ上では本当に都合がよいのです。


 


通信教育塾はタイムキーパーの役割も果たす


ただ、時間に縛られない分、その自由さに甘えてしまう恐れもあります。自由であるゆえに、いつまでたっても始められない、どのくらい学習時間を充てようかと迷っているうちに結局手つかずになる、といった状態に陥る危険もあります。そのため、講師、塾スタッフが受講生のタイムキーパーの役割を果たすことも大切です。受講スケジュールや学習時間の目安を示すのはもちろんのこと、提出の滞っている受講生には学習計画を立て直すためのフォローをすることが必要です。


最初に教材をドカンと送りつけて「後はご自由に」といった態度で、答案提出を全く管理しない通信講座の受講は、よほどの意志の強さがないかぎりは慎重になったほうがよいかもしれません。


 


考えを熟成させた指導ができる


時間に縛られないメリットは指導者側にもあります。通信教育の講師は決まった時間に教室で授業をするわけではありません。添削をする時間は自由です。一定期間内に、自分で時間を作り、添削に取り組みます。つまり、手をかけようと思えばいくらでも時間をかけられるのです。もちろん意味もなく時間を掛けていてはプロの仕事になりません。ただ、小論文・作文の場合には答案が全て異なるので、必ずしもイーブンペースで添削を進められるわけではないのです。添削指導とは「書き直しのためのヒントを与えること」ですが、どのようなアプローチが受講生にとってよいのか、とても迷うこともあります。後回しにして、しばらく時間が経ってから再びどう添削をするかを熟考することもあります。ときには調べモノをしてから慎重にペンを入れることや、他の講師に相談をしてからペンを入れることもあります。このように、十分に考える時間をとって添削指導ができるのも、通信教育という学習システムのおかげです。とりわけ職人気質の強い白藍塾講師陣は、通信教育というシステムがあるからこそ、持っている技術を最大限に発揮できると言えましょう。


 


個別の添削指導こそ通信教育の醍醐味


通信教育の醍醐味は、やはり個別の添削指導を行なう点にあります。特に文章教育ではこの点が重要です。小論文も作文も一人として他人と同じ内容を書く人はいません。ですので、個性やクセをとらえて個別に添削することは不可欠なのです。


白藍塾は、通信教育では珍しく、担任制を取り入れています。ビジネス的観点からすると担任制指導は効率的ではありません。管理業務等にかなりのコストがかかるからです。しかし教育的メリットを考えると、担任制こそ通信教育に必要不可欠なシステムと確信しています。担任制にすることで、講師は、目の前の答案だけでなく、前回の答案と比べながら連続性のある指導ができます。「前回注意した点が克服されているか」「毎回陥る失敗は何が原因か」と連続した指導の中で個々の受講生の個性やクセをとらえることができます。


 


信頼を得るために成果を出す


教室授業の最大のメリットは講師と受講生が対面でコミュニケーションをとれることだと思います。コミュニケーションを通じて信頼関係が出来上がります。


通信教育では顔を合わせることもできませんし、言葉を交わすこともできません。しかし担任制指導であれば、通信教育でも講師と受講生の信頼関係を築くことができます。カギは講師の指導によって成果を感じられるかどうかです。受講生自身が成長を自覚できれば、信頼は一気に高まります。講師は、受講生の成長を伝えて、受講生がそれを自覚できるようにすることも重要です。担任制で連続して答案を見ていればそれができます。


なお、顔を合わせることはできませんが、講師の顔を紹介することはできます。当塾では各講座案内書で講師の顔を紹介しています。通信教育で添削指導者の顔を披露するのは珍しいことのようで、入会理由に「指導者の顔が見られて安心した」という声が思いのほか多いのです。ちなみに記事の冒頭に紹介した集合写真が講師陣です。あと数名を加えて全員です。


 


質の高い添削指導を、どこにでもお届けできる


白藍塾は少数精鋭の講師陣で指導を行っています。非常に厳しい審査と研修を経て採用された方ばかりです。全員、樋口式文章指導法をマスターしており、指導経験も豊富です。腰かけの学生アルバイトなどは一人もいません。白藍塾が絶対に自信を持っている添削を、通信教育ならば、東京の方のみならず、地方の方、海外の方にも、分け隔てなくお届けできます。やる気さえあれば、私たちのきめ細かい添削指導を受けてもらうことができるのです。当塾が通信教育を続ける意義はこの点が最も大きいかもしれません。


話は思い切り逸れますが、昨年の暮れ、ある忘年会の抽選で「全国ご当地グルメ」が隔月贈られてくる目録が当たりました。2カ月に1回全国からぜいたくな食材が届きます。9月は「飛騨牛の京風牛すき丼の具」が届きました。霜降り牛肉のダシが効いていて美味しかったなあ。7月には・・5月には・・とここまで一度も外さずに美味しいものが届いているので、次が待ち遠しくて仕方がありません。今月は「瀬戸内海水揚げ直送『活』車えび」とのこと。早くこないかなあ・・・。


通信教育も、受講生が添削答案の到着を心待ちしてくれるようになればしめたものです。


「先生からの添削がいつ来るかいつ来るかと楽しみにして毎日郵便ポストをのぞいています」


 小学生会員の親御さんからときどきこのようなご報告をいただきます。通信教育がうまくいっている証拠です。



(2011.11.6)


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